血液透析の最終日、除水量ゼロで透析のみ施行でも疲れました

 2024年8月22日は最後の透析日になりました。8月20日のトラブルで、出血が多かった為、22日の透析はドライウェイトよりもマイナスでスタートしました。自然の体重増加を期待して、補液はせずに透析のみを施行していただきました。

 意外だったのが、除水量がゼロだったのに、いつもの透析後と変わらず、体がグテーッと疲れました。家に帰ってからいつものように数時間寝ました。透析後の疲れは透析低血圧による血管内脱水が原因と思っていたので、このことは自分の中での説明がつかなくなりました。

初めてのオンラインHDF、HDとはまったく違う印象を受けました

 8月24日、クリニックが変わり、初めてオンラインHDFの治療を受けました。驚いたのは、最後までまったく疲れを感じませんでした。この日の除水量は1400ml。普段より少なめではありましたが、これほど疲労感が残らないとは想定外でした。HDの最終日に除水ゼロにも関わらず、疲れたことを考えると、この疲労感のなさは治療法の違いによることに間違いないと確信しました。

 オンラインHDF初日に体験したこととしては、後半から胃とお腹にガスが貯まりました。補液によって胃腸の働きが活発になっているように感じました。整腸剤のミヤBMを服用して落ち着きました。

 その後、何日かオンラインHDFを体験して感じたのは、除水量が多いときは、やっぱりしっかり疲れました。ただし疲れ方が違って、帰ってから数時間寝るのは同じですが、HDの場合は不快な疲れ方で、疲れて眠いのだけれどなかなか寝付けない。オンラインHDFは横になるとすぐに寝付けました。

 粘膜の乾燥がぜんぜん違って、HDのときは点鼻薬をたくさん使いました。オンラインHDFは数回使うだけで済んでいます。

 HDのときは治療終盤には疲れて何もやる気にならず寝てしまっていました。オンラインHDFでは最後まで読書をする意欲が持続します。

 足が吊らなくなりました。

 補液が40リットルくらい入ってくるので、補液の温度の影響を受けます。初めてオンラインHDFの治療を受けたとき、そのことが分からなかったので、「さぶっ。ここのクリニックはやけに冷房を効かせるなあ」と思っていました。HDのときは、血圧が下がらないように、液温を65・5度の低めにキープしていました。今は液温を体温に近い66.5度にキープしています。

 治療法が変わったタイミングが、丁度、前のクリニックとのトラブルの尾を引いてストレスを感じていた時期なので、その後、血圧、心胸比が安定しなくなりました。それが安定して、もう少し長い目で見てくると、もっと新しいことに気づくかも知れません。

考察

 オンラインHDFがなぜHDよりも疲れを感じないのか、おそらく補液が関係しているのだろうと想像はできても、はっきりとは分かりませんでした。HDのときの検査結果と見比べてみても、ナトリウムやアルブミンの量に違いはありません。

 これについて専門家らは、「現地店で機序は明らかではない」としながらも、ギブスドナン効果により、血管内の浸透圧が維持され、細胞間液からのプラズマリフィリングが有効に働くことを指摘しています。

書籍「オンラインHDF基礎と臨床」 土田健司 MCメディカ出版

 https://store.medica.co.jp/item/402180030

つまり解説しますと、

①オンラインHDFは体液に近い浸透圧の補液を40リットルほど体内に注入しています。同時にほぼ同じ量の体液を濾過して排出しているので、理論上はHDもHDFもナトリウムの量に違いはありません。浸透圧も変わりはないはずです。

②しかしナトリウムはアルブミンと結びつくことで、フィルターを通過せずに血管内に残ります(ギブスドナン効果)。血管内の浸透圧の高さを維持し続けます。HDでは血液が拡散によって綺麗になると浸透圧が下がります。

③浸透圧は水を引っ張る力です。オンラインHDFでは補液によって高いナトリウム濃度を維持することで、組織や細胞間液に溢れ出た水分を、再び血管内に引っ張ってくること(再充填=プラズマリフィリング)が 容易になります。

④オンラインHDFは血管内脱水を起こすことなく、組織からの除水が有効に働く。HDでは血液が綺麗になるほど、サードスペースからの水の移動が難しくなる。

⑤透析が終わったとき、オンラインHDFは疲れを感じないが、HDは血管内脱水で、グテーッと疲れを感じる。

⑤オンラインHDFではプラズマリフィリングによってナトリウム濃度は維持されるので、検査結果を比べてもHDとオンラインHDFに違いは見当たらない。

こんな感じではないでしょうか?

まとめ・・・HDとオンラインHDFの違い(僕の場合)

①除水量が多いときに疲れて帰ってから数時間寝るのはHDもオンラインHDFも同じ。ただHDの場合は不快な疲れ方で、疲れて眠いのだけれどなかなか寝付けない。オンラインHDFは横になるとすぐに寝付けける。

②オンラインHDFは粘膜が乾燥しにくい

③オンラインHDFは透析中最後まで読書をする意欲が持続する

④オンラインHDFは補液の温度の影響を受ける。HDは後半透析低血圧になりやすい。